遺言書を法務局へ持参し、保管申請するまでを体験してみました。
自筆証書遺言保管制度について
自筆証書遺言を法務局に保管してもらう制度を利用することで、以下のメリットがあります。
・遺言書の紛失のおそれがない
・何者かによる遺言書の破棄・隠匿・改ざんのおそれがない
・家庭裁判所での検認が不要
(自筆の遺言書は、相続開始後、家庭裁判所に提出して検認を請求する必要があり、検認せずに家庭裁判所以外で開封すると、5万円以下の過料を支払わなくてはなりません)
手続きの流れについて
〇遺言書の作成
⇒ A4サイズで作成、上下左右に余白を設ける、ページ番号をふる、ホチキス留めしない などの注意事項があります。
また、自筆証書遺言のルール(全文/作成日/氏名の自署、押印など)も適用されます。
〇遺言書の保管先を決める
⇒ 遺言者の住所地、本籍地、所有する不動産の所在地のいずれかを担当する遺言書保管所で対応してもらいます。
〇遺言書の保管申請書を作成する
⇒ 所定の様式データがあります。最寄りの法務局窓口で用紙を入手することもできます。
データの場合、項目を入力後に印刷をしても良いし、先に用紙を印刷してから手書きで記載しても良いそうです。
なお、片面印刷・拡大縮小なし・A4サイズで作成 などの注意事項があります。
■私は様式データに項目入力後、印刷しました。
〇遺言書保管所へ、保管申請の予約をする
⇒ 法務局の専用HPでの予約が推奨されています。
メンテナンス時を除く24時間365日利用可能です。べんり。
遺言書保管所(法務局)への電話予約、窓口予約もできます。
こちらは土日祝日、年末年始を除く平日9:00~17:00に利用可能です。
■私は専用HPから予約をしました。30日先まで予約可能となっていました。
〇予約日時にて遺言書保管所へ行き、申請をする
⇒ 以下の5つを持参します。忘れてしまうと、保管所へ行っても手続ができなくなります。
①遺言書 ②保管申請書 ③添付書類(住民票の写しなど)
④顔写真付きの官公署発行の身分証明書(免許証、マイナンバーカードなど)
⑤手数料(3,900円分の収入印紙。書類に貼らずに持参し、手続当日に担当者の指示で用紙に貼付します)
●通常は所要時間約60分ほどで保管証の受け渡しがされます。
いざ 法務局へ
絶好のお出かけ日和の中、法務局へ行ってきました。
予約時間に窓口へ遺言書・申請書を提出。
〇死亡後の通知申請はしなくてよいかの確認をされました。
⇒ 保管申請手続き終了後、保管証などの書類を配偶者に託すので不要の旨を説明しました。
〇遺言書記載の者との関係性を証明する資料のコピーは保管可能かダメもとで確認しました。
⇒ 財産目録ではないので確認の資料コピーは保管不可、遺言書内に内容を手書きしてあるなら遺言書として保管可能と。やっぱりダメでした。
〇この書き方だと相続廃除者として受遺者となり追加の対応が必要になる、と指摘をされました。
⇒ 廃除したいぐらいの意気込みだが、遺される人の負担を考えて正式な手続きは望んでない旨を説明、追加の対応を免れました。
などのやりとりを経て、無事保管証を手にすることができました。
めでたしめでたしです。
遺言書保管申請ガイドブック
法務省のガイドブックに制度の内容が詳しく記載されています。
クリックするとPDFデータが開きます。データ内に申請書の様式・予約ページへのリンクもございます。
ご興味がありましたらぜひご覧ください。
【遺言書保管申請ガイドブック】
https://www.moj.go.jp/MINJI/common_igonsyo/pdf/guidebook_r3.pdf